xxxxxxx
xxxxxxx
xxxxxxx

AIでリハビリ成果を可視化し、口腔機能の変化を継続的に評価

概要

オルチェ人間情報技研は、目白大学 保健医療学部 言語聴覚学科 専任講師 坂口 紅美子 氏(保健科学博士)と共同研究契約を締結し、舌・口唇の動きを AI で定量解析し、リハビリ効果を瞬時に「見える化」する評価ツール「口腔器官評価システム」の開発に着手しました。さらに、同評価指標を拡張し、口腔機能や動作の変化傾向の分析アルゴリズムへの応用も視野に入れています。

背景

■超高齢社会の進行に伴い、嚥下機能の変化や神経疾患による影響への早期対応の重要性が高まっている
■現状は言語聴覚士による目視評価が中心で、客観性と再現性に課題
■患者が回復を実感し、治療方針を最適化するための 「リハビリ成果の数値化」 が求められている

研究のポイント

取り組み内容
目指す成果
【データ取得】
高精細カメラで舌・唇・顎の動きを静止画/動画で収録
基本動作データを網羅
【特徴量抽出】
画像処理+深層学習で特徴点を自動トラッキング
「動きの量・速さ・対称性」を数値化
【評価スコア設計】
速度・可動域・リズムなどを組み合わせた複合指標を開発
リハビリ効果を直感的に可視化
【ツール実装】
タブレット/PC 上でリアルタイム解析を実現
臨床現場で即時フィードバック
【応用展開】
正常・異常データを学習し判定ロジックを強化
多様な口腔動作パターンの分類・評価を支援

計測方法

静止画および動画による口腔・顔動作の撮影を実施します。主な撮影内容は以下のとおりです。

■最大開口位
■唇の突出および引き動作
■舌の運動(前方・上方・左右方向の動き)
■安静位

※これらは日常生活における口腔機能や動作の評価において重要な要素です。

解析項目

撮影データから抽出される特徴量として、次のような指標を解析します。

■舌・唇の形状(突出具合、丸まり、左右対称性 など)
■動きのスムーズさやリズム(例:舌の左右運動の周期性)
■動作中の加速度や運動量
■ 顎の代償的動作(舌運動が困難な場合に現れる補助的な顎の動き)

今後の展望

本研究で得られた知見は、次のような発展・応用を視野に入れています。

■臨床現場で使用できる簡易評価アプリの開発
→ タブレット端末で顔・口腔の動作を撮影し、リアルタイムで変化を可視化

■AI によるリハビリ評価支援
→ 経験の浅い医療従事者でも安定した判断が可能となるよう、AI が客観的指標を提示

■視線解析と組み合わせた専門家の評価視点の学習
→ 専門家がどこを見て判断しているかをデータ化し、教育・訓練ツールへ応用

■将来的な社会実装
→ 在宅ケア、介護予防、言語リハビリテーションなど、医療・福祉分野全般への拡張を検討

なお、研究成果は 2025 年 11 月の学会発表を予定しており、技術の社会的意義と実用性について順次公表してまいります。